7/12、オンラインにて「第12回マテリアル探索自動化・自律化人材育成セミナー」を開催します
2023年6月22日
最終更新日時 :
2023年7月14日
miyahara
DX化は世界的な流れであり,研究室レベルでも例外ではありませ
- 日時: 2023年7月12日 (水) 14:00-
- 形式:オンライン(WebExでの開催)
- 対象:MEEPメンバー
- お申込:NIMS 木野日織 宛にメール
kino_hiori@@@nims_go_jpにご連絡ください。
(@@@を@に、下線をピリオドに変換してください。)
オンライン参加用urlをご送付致します。
「電子ラボノートを活用した研究データの一元管理とオープンマインドなカルチャー作り」
高須賀聖五 特任助教
奈良先端科学技術大学院大学先端科学技術研究科物質創成科学領域
要旨
近年、データ駆動型研究の活発化により研究活動のデジタル ・トランスフォーメーション(研究DX)が加速している。これに より、今まで以上にデータの重要性が高まり、”属人的な暗黙知” を”組織で共有可能な形式知”に変換できるかが鍵となっている。 特に、実験ノートは実験データが詳細に記録されている共有財産で あるが、そのほとんどが紙媒体でありリアルタイムでの情報共有が 困難なため、属人的な暗黙知になり易い。また、データ駆動型研究 へ活用するにはデジタルデータに変換する必要がある。 そこでキーワードとなるのが”電子ラボノート”と”カルチャー” である。電子ラボノートは、従来の紙のラボノートを電子化したも ので、実験・分析結果を一箇所に記録・保存でき、いつでも簡単に 共有が可能となる。これにより、研究データの一元管理および容易 なデータ共有による研究活動の効率化が期待できる。また、タイム スタンプ機能によるデータ改ざんの抑制、実験条件に紐づいたファ イルの保存、化学構造の描画・閲覧およびテンプレートや表の複製 が可能という紙媒体にはない機能を多く有する。一方で、電子ラボ ノートの導入およびデータの移行は手間とコストがかかり、システ ム障害が発生した場合のリスクやデータプライバシーの管理、 ユーザーの技術習得の必要性など、様々な課題が存在する。そのた め、導入から運用までの戦略を立てることが求められる。さらに、 カルチャー作りも重要な要素となる。電子ラボノートで共有される データには失敗データも含まれる。データサイエンスの観点からは 非常に有益であるが、実験者からすればあまり共有したくない情報 である。この心理的ハードルを下げるためにも日頃からコミュニケ ーションの見える化を意識したオープンマインドな環境を作る必要 がある。オープンマインドなカルチャーのもと電子ラボノートを使 用することで、研究DXがより推進されると考える。 本セミナーでは、電子ラボノートの導入へ向けた取組みやオープン マインドツールを用いたデータ共有を含む具体的な使用例、API を用いた実験データの活用について紹介し、ベンダーの利用やクラ ウド管理といった維持管理方法についても触れる。
- カテゴリー
- Seminar