第22回マテリアル探索自動化・自律化人材育成セミナーを開催しました

今回は、MEEP報告会等で概要の紹介だけにとどまり、詳しく聞きたいというリクエストのあった牛久グループの日野英逸氏と安藤康伸氏の研究について、それぞれじっくりお話いただきました。

両氏の発表に対して時間内では収まりきれないほど多くの質問が寄せられ、メンバーの関心の高さが伺える大変有意義なセミナーとなりました。

第22回マテリアル探索自動化・自律化人材育成セミナー

司会:牛久 祥孝 GL

「レベルセット推定問題」

牛久G 統計数理研究所 教授

概要:レベルセット推定はこれまでに得られた測定結果から次の測定点を決める適応的実験計画の一種であり、可能な限り少数のデータを用いて望ましい水準を満たす領域を推定する問題である。レベルセット推定ではそれぞれの測定点を入力とし対応する測定結果を出力とするブラックボックス関数を考え、これまでに得られたデータから推定したサロゲート関数を用いてまだ測定していない測定点が閾値を超えるかどうかを予測する。レベルセット推定の効率は(1)次の測定点を決定する獲得関数,(2)レベルセット推定を停止するタイミングの2つによって決まる。本セミナーではサロゲート関数が閾値を超える確率に基づいたレベルセット推定の獲得関数及び停止基準を紹介する。

「物理モデルとポアソン誤差に基づいたスペクトルデータの高速自動解析」

牛久G 東京科学大・准教授

概要:実験技術や計測装置の発展により大量のデータが取得できるようになった昨今、それらのデータを網羅的かつ適切に解析し情報を抽出するためには、従来とは異なる解析手法が必要とされている。本セミナーでは講演者らが開発した、スペクトルデータに対する物理モデルフィッティングを高速かつ自動で行うことのできる解析パッケージEMPeaksを紹介する。また、EMPeaksを非計数データ解析へ拡張した最新の研究についても報告する。